タスク管理について

年齢を重ねるごとに、記憶の賞味期限が短くなってきたことを感じる。人から聞いただけのことは気を抜くと次の瞬間には忘れているし、覚えておこうと努力したこともやはり次の日には忘れている。頼みごとをされて「やっておきます」と言ったことも忘れていたことすらあり、いよいよ脳の老化がここまできたかと焦った。とにかく、まずはタスクを確実に管理しないことには人からの信頼を失いかねない。

タスク管理の取り組み方について、いくつかの段階があると思う。最も原始的なのは、自分の記憶だけに頼る方法である。これはタスク管理と呼べる代物かどうかも怪しいが、実際に大学時代の友人に自分の全てのスケジュールを記憶していた人がいたので、一応タスク管理法の1つということにしておく。確かに高校生くらいまでは僕もTODOリストなどは使わなかったので、記憶だけに頼っていたと言える。しかし今となっては、メモも取らず自分の記憶だけを信頼できる年齢はとうに過ぎてしまった。

次にTODOリストを使ったタスク管理である。僕は大学生の頃まではTODOリストなんて作っている時間が無駄だと思っていたが、社会人になってから実際にやってみるとやるべきことが頭の外で一覧できて、これが案外気分が良い。タスクを完了して消していくのも気持ち良い。やるべきことが多くなって頭がパンクしそうになると逆に何も手がつけられなくなるタイプなので、パンクしそうな時はまずその日のTODOリストを作る、ということを実践していた時期もある。しかしTODOリストだと、重要なタスクが他のタスクに紛れてしまって見落としたり、期日までの道筋が考えられていなかったり、そもそもTODOリストに入れ忘れていたりしていた。

そして現時点の最終段階として、タスク管理ツールOmniFocusを使って、タスク管理手法であるGTDを実践するということを続けている。上述したTODOリストにおける課題感を持っていたところ、会社でOmniFocusについて教えてもらい、GTDに関する書籍を読んで、それ以来仕事でもプライベートでもOmniFocus中心に行動している。

GTD(Getting Things Done)について説明しようとすると長くなるのでざっくり書くと、頭の中のタスクを思いつく限りすべて書き出した上で、それらを整理し、実行しつつタスクリストを振り返るという、タスク管理のフレームワークだ(と僕は理解している)。『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』という書籍がGTD提唱者が書いた本なので、興味のある方は読んでみてほしい。GTDが特徴的だと思うのは、とにかく頭の中のタスクを分類することなく頭の外(inboxという入れ物)に全て吐き出して可視化するというステップを最初に組み込んでいることだ。これによってストレスフリーにタスクに取り組める、とGTD提唱者は言っている。

OmniFocusはiOSiPadMac専用の有料アプリで、GTDを厳格に実践するために作られたアプリだ。ちゃんとInboxという場所が用意されているし、OmniFocusを開いていなくてもショートカットキーでInboxにタスクを追加するためのウィンドウが開くので、タスクの入れ忘れが起こりにくい。タグをつけて整理することもできるし、繰り返しタスクも登録できる。便利なのは期日や見積もり時間を入れておくことで、例えば期日が今日の11:00で見積もり時間が30分のタスクがあれば、今日の10:30になるとリマインドを飛ばしてくれる。また、やるべき日までタスクを延期するという設定もできて、その日になるまでタスクを非表示にできるので、今すぐ手をつけられるタスクを一覧しやすい。他にもまだまだ使いこなせていない機能が山ほどあると思う。

OmniFocusにはサブスクと買い切りの2つのプランがある。料金については変わりうるので詳しくはググってほしい。現在バージョン3のOmniFocus3が出ており、買い切りの場合はメジャーバージョンが上がるごとに買い直す必要があるらしい。つまりOmniFocus3を買っても、OmniFocus4が出たらそのバージョンはまた購入しないと使えない。僕は2週間の無料体験で毎日使っていたところ完全に手放せなくなってしまい、とはいえちょっと高いので無料で使い続ける方法は無いか調べてみたところ、現在ちょうどOmniFocus4のベータテスト中で、メールを登録して招待を受ければ無料で90日間使えるという情報を見つけた。早速メールを登録したら、翌日には招待が来てOmniFocus4を使えるようになった。OmniFocus3で登録していたタスクも、ログインすれば同期されたのでスムーズに使い始められた。

しかし90日間のベータテスト期間が終わるまでにOmniFocus4の正式版をリリースしてくれないと、OmniFocus3の方のサブスクに入る必要が生じてしまう。どうか早くリリースしてほしい。